米国ETFと日本株の違いとは?

株チャート

「ETFって何?」を理解すれば、投資の選択肢が一気に広がる

投資初心者にとって、「ETF」という言葉は少しハードルが高く感じるかもしれません。ですが、その本質は意外とシンプルです。ETFとは「上場投資信託」のことで、株式市場に上場しており、個別株のようにリアルタイムで売買できる投資信託の一種です。

日本株は、トヨタやソニーのような国内企業の株式を一つひとつ選んで購入するのに対し、ETFはパッケージ型の商品です。たとえば米国ETFの中には、米国の主要企業500社で構成されるS&P500に連動するものや、特定の業種やテーマに投資するものがあります。

つまり、ETFは一つ買えば分散投資ができる設計になっており、リスクの平準化を図りやすいのが特徴です。個別株はリターンも大きいですが、リスクも集中しやすいため、比較するとETFの方が手堅い投資スタイルといえるでしょう。

米国ETFは「成長性」と「低コスト」が魅力日本株との違いを見極める

米国ETFの人気が高まっている背景には、アメリカ経済の成長性と、ETFそのものの運用コストの低さがあります。たとえば「VOO」や「SPY」といった代表的な米国ETFは、経費率が年0.03〜0.09%程度と非常に低く、長期保有に適しています。

また、米国ETFは配当頻度が年4回(四半期ごと)のものが多く、インカムゲインを重視する人にも適しています。加えて、取引量が多く価格変動が緩やかなため、売買のしやすさ(流動性)という点でも優れています。

一方、日本株は、配当の頻度が年1〜2回の銘柄が主流で、投資家の顔を意識した株主優待文化が根強いことが特徴です。金券や商品券などの優待を楽しみにする投資スタイルは、日本ならではの魅力といえます。

ただし、日本株は成長性という観点ではやや停滞傾向があり、ETFと比較すると、ポートフォリオとしてのバランスが偏りがちになることもあります。資産運用においては、分散・成長・コストという3つの視点で商品を比較する姿勢が大切です。

どちらを選ぶかは目的で決まる投資の軸を持とう

「米国ETFと日本株、結局どちらを選べばいいのか?」という疑問は多くの人が抱えるものです。その答えは、投資の目的とスタンスによって変わります。

たとえば、老後資金をじっくり育てたいなら、長期保有に適した低コストかつ分散型の米国ETFが有力な選択肢になります。ドル建て資産を持つことで、為替分散の効果も期待できます。一方、国内での優待を楽しみつつ、株主としての実感を得たい人には、日本株がフィットするかもしれません。

また、NISAやiDeCoといった制度を利用する場合、それぞれの投資商品の対応状況や非課税の枠組みにも注意が必要です。米国ETFの中には、配当金に対して米国と日本の二重課税がかかる場合があり、確定申告での調整が必要になることもあります。

とはいえ、どちらか一方に絞る必要はありません。むしろ、それぞれの強みを活かして組み合わせることが、リスクとリターンを両立させるコツです。自分のお金をどのように育てていきたいか、そのビジョンを持つことが、投資におけるもっとも大切な出発点といえるでしょう。