物理的な金塊・金貨への投資は古くから行われてきました。現在では、金に連動する金融商品(先物やETFなど)も存在しており、金は価値を保持する手段として信頼されています。
今回は、金投資が求められる背景や、金投資のメリット・デメリットについて解説します。
金投資はどんなときに求められるのか
世界情勢が不安定になると、金への投資意欲が高まります。パンデミックや政治的な不安要素が強くなるほど、金への需要は高まりやすいといわれています。
また、インフレが進行するときにも金の価値が見直されます。インフレは物価が高まるという印象が強いかもしれませんが、どちらかというと現金の価値が下がる現象といえます。何かの拍子にただの紙切れと化す可能性のある現金に対し、金はモノとしての価値があり、インフレに強いのです。そのため、ハイパーインフレへの懸念が高まると、金への投資が増えることがあります。
金投資のメリット
金投資は人気かつ信頼できる投資方法の1つであり、多くのメリットがあります。基本的に、保守的でインフレに対する対策を講じたいと考えており、ポートフォリオに多様性を持たせたいという投資家に向いています。
金は、一般的にインフレが進むと価格が上昇する傾向があります。そのため、インフレに対するリスク分散の手段として金を保有する投資家もいます。物理的な価値を持つ金は、現金の価値が下落しても安全だと考えられているのです。また、金は国際的に価値を認められている試算でもあるため売却が簡単にできるという点で流動性の高い資産でもあります。
加えて、投資ポートフォリオを多様化させる目的で金を保有することで、投資のリスクを分散させることも可能です。
金投資のデメリット
金投資にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。基本的に、定期的な収入や短期的な利益を求める投資家には不向きとされます。
金はリスクが低い投資ですが、それゆえのデメリットがあります。配当や利息を生まないという点です。金で利益を出すには、安い価格で金を買い、価格が上昇したタイミングで売却するという方法しかありません。短期的に金の価値が上昇することもありますが、株式や不動産と比較すると、長期的には低いリターンです。リターンが低くなる理由は、金の重さに対して購入・売却・保管の手数料がかかるという理由もあります。定期収入や大きな利益を求める場合は、もっとリスクの高い金融商品を選択する必要があるでしょう。
いずれにしても、金投資のメリット・デメリットを把握した上で、自身の金融状況や投資目標、リスク許容度に見合うかどうかを評価することが重要です。