
種類が多すぎると悩む前に、まずは目的を明確に
家計簿アプリの数は年々増加しており、無料・有料を含めれば数十種類以上が存在します。使い始めようとしても、「どれを選べばいいかわからない」と感じてしまう人も多いかもしれません。
ですが、迷う前にまず考えたいのは、何のために家計簿をつけたいのかということです。たとえば「無駄遣いを減らしたい」「毎月いくら残っているか把握したい」「貯金を増やすペースを可視化したい」など、目的によって適したアプリは変わってきます。
もし「とにかく簡単に記録したい」のであれば、レシート撮影で自動入力ができるタイプのアプリが向いています。反対に、「資産全体を俯瞰したい」のであれば、銀行口座やクレジットカードと連携できるアプリが便利です。たとえば「マネーフォワード ME」や「Zaim」は、複数口座の情報を一括管理できる点で評価されています。
どのアプリも一長一短があるため、機能が多ければ良いというわけではありません。「自分が続けられる設計になっているか」という視点が最も大切です。
入力方法と可視化の仕組みに注目することが、使い続ける鍵です
家計簿アプリは、使い方に慣れるまでが勝負です。初期設定が面倒だと感じる人もいますが、口座連携や予算のカテゴリ設定を最初に済ませておくと、後の手間はぐっと減ります。
アプリによっては「一度入力した支出を自動で学習」してくれる機能もあります。たとえばスーパーでの支払いを「食費」と自動判定してくれるなど、分類作業が少しずつ省力化されていきます。こうした自動化の恩恵を受けるには、最初の1週間ほどは丁寧に入力し、アプリに学習させる意識を持つとよいでしょう。
また、「見える化」の設計にも注目したいところです。グラフ表示が見やすいか、月間の変化が把握しやすいか、赤字と黒字が一目でわかるかどうかなど、自分にとって見やすい形で情報が整理されているかが、長く付き合ううえでの鍵になります。
さらに、支出の通知機能や残り予算の表示などは、日常生活の中で節約意識を高めるうえでも効果的です。
家計簿は完璧より継続が成果を生む
家計簿アプリを始めると、最初は張り切って細かく記録する人が多いものです。しかし、時間が経つにつれて入力が面倒になり、途中でやめてしまうケースも少なくありません。節約や管理が目的だったはずなのに、記録そのものが負担になってしまっては本末転倒です。
継続のコツは、「完璧を目指さない」ことです。細かな支出をすべて記録するのではなく、大まかな傾向を把握することを目的にすれば、プレッシャーも軽減されます。たとえば1日の総支出だけを記録する日があっても構いませんし、食費と娯楽費だけ重点的に管理するという形でもよいのです。
また、「毎月○○日だけ振り返る」と決めることで、見直しの習慣も生まれやすくなります。1日5分、月末に10分だけでも「見る」「考える」時間を取ることで、支出のパターンや無駄の傾向が見えてくるでしょう。